困難を乗り越える力 蝦名玲子著

読書感想です。
平和だけれどたいへんな時代なのでこの本を手にとりました。
 
はじめに旧ユーゴ紛争生存者に触れていたのでこういう生死を身近に感じながらも乗り越えたところに興味を持ちました。
 
実際には紛争生存者のことよりも著者の研究結果として現代日本社会に著者が当てはめて解決していこうとする内容が多かったと思います。
 
私個人としては、会社でのトラブルや困難事例に当てはめたものよりもユーゴ紛争生存者の実態や状態や経験談などをもっと詳細に知りたかったように思いました。
 
日本社会での例は困難の種類も違うように思います。海外の生き死にや人種的な差別と日本の平和だがプレッシャーや決まりごとのしばりやいじめとは対処も違うように思うのです。
 
そのまま著者が研究結果をもとに日本社会を想定して模範解答をしめして困難を乗り越えることにしています。
確かに困難を乗り越えるために全ての共通して「わかる感」「できる感」「やるぞ感」が大切であることは理解できましたが、そう思うためにもっとユーゴ紛争をはじめ困難を乗り越えた人の具体的な話が聞きたかったように思うのです。
 
著者の解釈による模範解答ではなく、困難克服者の実態を知り、読者がそれぞれに方法を見つけ出すほうが現実的なのではないかと思います。その著者の模範解答ではなく、困難克服者の実態の解説と道しるべ的なガイドだけのほうがよかったように思います。
 
著者の模範解答を読んでいてそれができないから困っているのだと感じることが多くありました。
 
全体をとおして否定的な感想になりましたが、決して参考にならない本ではないと思います。
ただ個人的にもうちょっと内容を具体事例とその解説に分量を割いて欲しかった、日本社会での具体例は読者にそれぞれに応じて自分の方法を見つけ出すというほうがいいと感じました。