「鬱の力」 五木寛之 香山リカ 著

久しぶりに読書感想です。
香山リカ氏の著書は数回あるのですが今回は五木寛之氏との対談形式でもあるので手にとりました。
今回は内容が難しいというより、読書感想として文にするのが難しく感じました。
 
憂鬱な気分である「鬱状態」と鬱病とは違うのだが鬱の状態の人まで鬱病としてどうにかしようとしているのではということだそうです。線引きも難しい。
 
人間、憂鬱な状態のときは人間だからあるということであまり病気として考えなくてもよい場合も多いという内容だったと思います。そういう感覚があるということが無気力ではないということから憂鬱な感情がでてくるのであまり否定的になる必要はないということらしいです。
 
宗教や海外との宗教観の違いや地域や時代などを織り込んだ対談になっています。
 
二人は大体は共感しつつ話は進んでいます。時々微妙にずれていると感じるところも追求はせずに次の話題に移っている感じです。
 
時代が鬱的だからそういうものだという論調だったと思います。
バブルや高度経済成長時代は「躁」、躁鬱の躁であった。
 
日本は中年にたとえられています。ポルトガルの世界を支配していた時代に例えられ、今のポルトガルの貧しさを同じようになるのではとありましたが、否定的な意味合いばかりでなく、それなりに枯れていっていい味出している的な記述でありました。
 
結局のところまとめは高度経済成長やバブル再来など期待できないし欝の時代は今後50年は続くので、それに即した生き方をということでした。
 
ポジティブシンキングの人にはこの発想は受け入れがたいかもしれませんが、二人はあきらめましょうとはいってないと思います。おそらく過度の期待をもって劇的な回復を期待しても努力が空回りして努力の割に実がなく、がっかりするような状態におちいるのではなく、(そうなると鬱状態)どういったらいいのでしょうか、うまくかわすといったらいいのかそういった感じだと思います。
 
今回は読み間違えているかもしれません。だから感想として難しく感じました。