P&G式伝える技術 徹底する力 高田誠著

サブタイトルが
「コミュニケーションが170年の成長を支える」ということで少し前に読みました。
 
P&Gは日本でもよく知られている洗剤のメーカーですが思っている以上に大規模なところのようでした。
世界中に13万人も社員がいてまさしくグローバル企業です。
 
このP&Gの社員だった高田氏の著書です。
 
コミュニケーションのコツのようなものに
・「3つにまとめるとわかりやすい」
というのがありました。要点を3つにしぼって端的に説明するということです。
 
・「目的をしっかりもっている」
というのも特徴的です。
 
・「社員の成長や部下の成長をを考えている」
 
これらをみるとあたりまえのことのようにも思えてそれが出来ていない企業も多いように感じます。
 
ただ気になる点もありました。
著者がP&Gの社員だったことや実際に超巨大企業ということもあり、P&Gをそのように知られた存在ということで話が展開していますが、日本の消費者はそれほどP&Gを意識していないようにも思います。
たとえば「P&Gは女性が働きやすいことで知られていますが~」というような内容の記述をみて、それほどそのことは知られているかどうかは分からないように思います。
ブランディングということでP&G自身も消費者には全面にはおしていないように思います。
同じ外資でもイケアやギャップ、ネッスルなどのほうが外資系というイメージを利用して会社名をもっと出しているように思います。海外からきた日本にない魅力的なブランドということを。
 
P&Gは日本のメーカー花王やライオンと並ぶような感じのイメージ戦略で海外から来たことは全面には出していないように感じます。商品の特性からそうしたのかもしれませんが。
 
また、企業研究している就職活動の学生や業界の人、ビジネスの世界の人なら知っているかもしれないですが実際にP&Gの商品を買うひとは外資系企業ということすら知らないように思います。
 
話がP&G絶賛で理想的過ぎるように思うところもありました。
実際にそれほど素晴らしい会社かもしれませんがこれは社員にならないとわかりません。
 
「消費者がボス」という考えも少しひっかかります。
確かに上司に気に入られるように商品開発や仕事をしても意味がないということで消費者を第一に考えるというのは理解できますし、またよく言われていることで目新しい発想や方針、政策でもないように思います。
最近は消費者すら意識できていない潜在的なニーズを掘り起こすために消費者の意見や考えをダイレクトに聞き過ぎないようにするという考え方もあります。
 
全体的にはいい会社ということはわかり、やはり170年も成長し続けるということには説得力はあると思います。
参考になるようなところも多かったと思います。