経済の考え方が分かる本 新井明 他著

経済についてもう一つわからない感があるので読んでみました。
中高生向けの本です。(岩波ジュニア新書)
 
この本のもとになったe-教室というインターネット上の掲示板型教室を本にまとめたもののようです。
中高生用なのでなるべく簡単になるよう努力されていますがやはりまだ難しいように思います。
特に中学生ならもっと絞ってさらにマンガにするぐらいでないとなかなか読んでもらえないのではと感じました。
内容的にいろいろ伝えたかったのか少し欲張りすぎな感じもしました。構成もうまくないように思います。
 
内容のほうは経済用語や仕組みを説明するために身近なものを例に出したり掲示板の投稿者の質問答えを引用していました。。個人的には引用よりこの著書用にまとめなおしてほしかったです。あと各章の終りに問題がありまるで数学の参考書や問題集のようにしていたのはまったく必要ない感じがします。ものすごく教育的な押し付けを感じます。本当に経済に興味をもってもらいとっかかりにしてほしいのか疑問に感じました。
 
ものの値段の決まり方やどうやったらモノが売れるかの仕組みが書いてあります。
簡単にいえば人がほしがるものを作り出し希少性があればうれるということです。あたりまえですが。
 
生産能力の低い人でも社会的に価値がないと感じるのではなく得意なものにとりくみ社会に還元していくことで実際に経済的にも役に立つというポジティブな内容もありました。
 
また、貯蓄のみを善とするのでなく経済活動において消費も必要であり、また借金も時と場合により適切であることも説明してあり、これも大人からすればあたりまえですが、話をもっと大きくして国の財政の話までになると何処まで借金していいやら結局はわからない感じでした。
 
日本は借金まみれですが、日本自体にそれなりに個人や企業に資産があるのでまだ大丈夫的なことのようですが(大丈夫とは言ってませんが借金があるからといって短絡的に破たん寸前ではないとは言っている)経済活動や、日本の財政がうまくいっていないニュースをきくとそれなりに優秀な人が日々景気対策や、財政のことを考えているのにこのありさまは結構難しいのだと改めて思います。